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二重の基準論2



「二重の基準論1」で二重の基準をやりましたね。 今回は、その続きです。実は二重の基準と言うの は、表現の自由と経済的自由を二つにわけて考える、というだけではありません。経済的自由は、 さらに二つの場面に分かれるのです。

二重の基準論1でお話したように、経済的自由権というものは、精神的自由権と比較して公権力による 規制を受ける可能性が高いです。

これは、一つには、民主制の過程に瑕疵があるわけではないので、自ら国民が選挙を通じて修正できる ということが理由に挙げられます。
しかし、それだけではなく、例えば職業の選択などは、職業通しの社会的な相互の関連性が高いので、 まったくの自由に職業の選択を認めると、社会に及ぼす影響が大きいことから規制の必要性があるの です。

それに加えて、現代社会においては弱者保護の必要性もあり、政策的な配慮から積極的に規制する必要性もあるのです。

この前半の部分を消極目的規制といい、後半の部分を積極目的規制といいます。消極目的規制というのは、 主に国民の生命や健康への危険を防止したり除いたりするために規制するものです。他方、積極目的規制 というのは、社会的な弱者を保護するためにとられている規制をいいます。

具体的な事案については、職業選択の自由2の ほうでお話しています。ぜひ、御覧下さい。

このように、経済的自由権については、さらに二つの場面に分かれていることを、覚えておいて下さい。


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