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「めざせ憲法の達人!」のトップページ>生存権



生存権





ここでは生存権を取り上げます。

生存権については、その法的性格を問う出題が多いです。ですから、この点を理解しておくと良いと思います。

生存権などの社会権は、資本主義社会が発展し貧富の差が激しくなり、社会的な弱者や経済的な弱者を保護するために、 20世紀になって登場した権利です。社会権は国に対して一定の行為をするように要求している権利である点に特徴が あります。簡単に言えば、「弱者を救ってくれ」と要求するということです。

他方、自由権は国に対して、何もしないことを要求している点に特徴があります。例えば、 表現の自由を例にしてみますと、何かを表現しようとする場合に国が妨害するなという主張 をなす点がこれにあたります。

話を戻しまして、生存権です。生存権は社会権ですから、国に対して一定の行為をするように 要求しているのですが、この憲法の規定のみに基づいて国に対して一定の行為を要求できるわけ ではありません。

この規定を根拠にして裁判所に訴えても、裁判官としてはどのくらいの金銭を渡せば救済になるのか、 具体的に何をすれば救済になるのかなど、判断が出来ないことが多いでしょう。また裁判官によっても いろいろと判断がわかれることもありうるでしょう。

憲法の規定からだけでは、何をしたらいいのかわかりません。この生存権は。そもそも権利ではない という考え方があります。この生存権は、国民の生存を確保すべき政治的な義務を国に課したものに すぎない、という考え方です。これをプログラム規定説といいます。

したがって、プログラム規定説によれば、憲法の規定を直接の根拠として国に一定の行為を要求し、 生活の扶助を求めることはできません。憲法の規定を具体化する法律の制定を待ってからということになります。

でも、このように憲法の規定を根拠にして請求できないとしても、かかる規定を権利と呼ぶことも 可能だとする考え方があります。これを抽象的権利説といいます。国に対して具体的な請求ができる わけではないということで、「抽象的」権利というわけです。

プログラム規定説によっても、抽象的権利説によっても、憲法の規定を直接の根拠にして生活扶助などを 請求することは出来ない点は同じです。異なるのは、「法的」な権利というかどうかです。

さらに、学説の中には、生存権は具体的な権利であるとする考え方もあります。

ただ、この具体的権利説によっても、国が何もしないことは違憲であることを確認する判決を求めることが できるにすぎず、憲法の規定を直接の根拠として生活扶助を求めることはできないとしています。


参考判例
朝日訴訟判決
最判昭42.5.24

堀木訴訟判決
最判昭57.7.7


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