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小売市場判決





小売市場判決という有名な判決があります。憲法を学ぶ上で、欠かせない判決です。 公務員試験においても、行政書士試験においても、いずれの試験を受ける上でも重要 な判決です。

まず、小売商業調整特別措置法という法律があります。この法律によりますと、小売 市場を開設するための許可をなす条件として、既存の市場からある一定の距離をとっ て離れていることが必要である旨、定められています。簡単に言えば、A市場から一 定の距離を離れなければ、B市場を開設することが出来ないわけです。

この距離規制が、職業選択の自由に対する不当な侵害ではないかとして、争われまし た。

小売市場判決抜粋(最裁昭47.11.22)
「個人の経済的活動に関する限り、・・・これに一定の合理的規制措置を講ずること は、もともと憲法が予定し、かつ許容するところ」
「社会経済の分野において、法的規制措置を講ずる必要があるかどうか、その必要が あるとしても、どのような対象についてどのような手段・態様の規制措置が適切妥当 であるかは、主として立法政策の問題として、立法府の裁量的判断にまつ」
「ただ、立法府がその裁量を逸脱し、当該法的規制措置が著しく不合理であることの 明白である場合に限って、これを違憲としてその効力を否定することができる」
「小売市場の許可規制は、国が社会経済の調和的発展を企図するという観点から中小 企業保護政策の一方策としてとった措置ということができ、その目的において一応の 合理性を認めることができないわけではなく、またその規制の手段・態様において も、それが著しく不合理であることが明白であるとは認められない」

判決は、社会経済の分野における規制については、積極目的の規制と消極目的の規制 とを区別し、積極目的の規制については、いわゆる明白性の原則が当てはまる、とし ています。そして、小売市場の許可規制については、積極目的の規制であり、明白性 の原則に当てはめてみると、著しく不合理ではなく合憲と判決を下しています。

この判決については、覚えておいたほうがいいです。というよりも覚えるべきでしょ う。公務員試験、行政書士試験のいずれの受験生にとっても重要です。覚えるポイン トとしては、小売市場の許可規制が積極規制であり、明白性の原則に違反せず、合憲 である、という点です。


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