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国会の権能





ここでは、国会の権能を取り上げます。
国会は、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関です。さらには、国民の代表機関 でもあります。ですから、さまざまな権能を有しています。

【国会が有する主な権能】
法律の制定権
条約の承認
内閣総理大臣の指名
弾劾裁判所の設置
財政について
憲法改正の発議

です。それぞれにいろいろと問題点がありますが、以下ではその中でも主要なものを取 り上げていきます。


1、法律の制定権
まず、国会は憲法上唯一の立法機関とされていることからも、法律の制定権を有してい ることはおわかりいただけるかと思います。

2、条約の承認
条約の締結権は内閣が有しています。しかし、条約が成立するためには、内閣が締結す るだけではダメで、事前に時宜によっては事後に国会の承認が必要となります。

このように条約の成立に国会の承認が必要とされているのは、条約によって国民の権利 や自由が制約されるなど、国民の利害関係にかかわってくる場合があるので、条約締結 につき、国会による民主的コントロールを及ぼしたのです。

憲法上、国会による承認は「事前に、時宜によっては事後に」と規定されていることか らもわかるように、事前の承認が原則です。「時宜によっては事後」というのは、急を 要する場合など、国会の承認を待つことができない場合を指します。

3、内閣総理大臣の指名
日本の憲法は議院内閣制をとっているとされています。大統領制をとっているとはされ ていません。その根拠として、国会で行政府の長たる内閣総理大臣を指名することが挙 げられています。気をつけないといけないのは、国会がなすのは「指名」であって、 「任命」ではありません。「任命」をするのは、天皇です。

4、弾劾裁判所の設置
裁判官については、その身分が憲法上かなり強く保障されています。これは、裁判官が 政治部門の影響を受けたりすると、正常に民主制が働かなくなり、ひいては国民の自由 が侵害される可能性があるからです。つまり、誤解を恐れずに言いますと、政治部門に とって都合の悪い判決を下すような裁判官を罷免し、政治部門にとって都合のよい裁判 官のみにしてしまうことも可能だというわけです。でもそれでは、言いたいことも言え ない世の中になりかねませんよね。そうなると国民の表現の自由が害されるおそれがあ るわけです。

そこで裁判官が罷免される場合を限定しており、その一つが公の弾劾というものなのです。
これは国会の両議院の議員で構成される弾劾裁判所というところで行われます。国会議 員がメンバーですから、裁判官に対する民主的なコントロールの一つです。国会議員は 国民が選びますからね。

この弾劾裁判所というのは、憲法が例外的に認めた特別裁判所とされています。つまり 裁判の結果に不服があっても、通常の裁判所に対して出訴することは出来ません。こう いったことも覚えておくと良いかもしれませんね。


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