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【 解答 】




【 解説 】

◆ア
未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければなりません(737条1項)。父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足ります。また父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、他の一方の同意だけで足ります(同条2項)。本肢のように父母ともにいない場合については、規定がありません。実務上は、家庭裁判所の許可を得ずに婚姻できるとされています。

よって、肢アは誤っています。


◆イ
その通りです。未成年者が婚姻したときには、成年に達したものとみなされます(753条)。当該未成年者が未成年のうちに離婚したとしても、未成年には戻らないとされています。

よって、肢イは正しいです。


◆ウ
養子、その配偶者、直系卑属又はその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第729条の規定(離縁による親族関係の終了)によって親族関係が終了した後でも、婚姻をすることは出来ません(736条)。つまり、いったんは養子にして親子関係を結んだ以上は、離縁したとしても、婚姻することは出来ないということです。たとえ血縁関係になくとも、親子になった以上は、婚姻することは道徳上好ましくないということです。

よって、肢ウは誤っています。


◆エ
その通りです。離婚をした場合には、配偶者の親族との間にあった親族関係は当然に終了します(728条1項)。それに対して、夫婦の一方が死亡した場合には、生存配偶者と死亡した配偶者の親族との間にあった親族関係は、当然には終了しません。生存配偶者が親族関係を終了させる意思を表示したときに、終了します(同条2項)。

よって、肢エは正しいです。


◆オ
父母が協議上の離婚をしようとするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければなりません(819条1項)。家庭裁判所の許可を得て、第三者を親権者とすることを定めることはできません。なお、裁判上の離婚の場合には、裁判所が、父母の一方を親権者と定めます(同条2項)。

よって、肢オは誤っています。


以上より、正しいものはイとエであり、正解は肢5です。



【 解き方 】

本問は組合せ問題ですから、わかる肢から消去法で解いていくのがいいでしょう。肢イあたりがとっかかりとしてはいいのではないかと思います。各肢の内容自体は決して難しくはないのですが、なかなかここまで勉強が進んでいる受験生は少ないのではないかと思います。そういう意味では難しい問題と言えるでしょう。しかし、実務上は非常に重要な分野です。条文を知っていれば解ける問題もかなり出題されますので、一度は目を通しておくことをおすすめします。



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