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【 解答 】




【 解説 】

本問は、最大判平20年6月4日における藤田宙靖裁判官の意見を題材にしています。この判例は、平成24年の行政書士試験にも出題されています(平成24年第6問)。この判例は外国人の国籍にかかわる判例です。行政書士業務の中に、外国人の在留資格や帰化にかかわる仕事があります。このような業務では、この判例は非常に重要です。そこでこの判例が2年連続で出題されているのだと考えられます。

「一般に、立法府が違憲な「ア、不作為」状態を続けているとき、その解消は第一次的に立法府の手に委ねられるべきであって、とりわけ本件におけるように、問題が、その性質上本来立法府の広範な裁量に委ねられるべき国籍取得の要件と手続に関するものであり、かつ、問題となる違憲が「イ、法の下の平等」原則違反であるような場合には、司法権がその「ア、不作為」に介入し得る余地は極めて限られているということ自体は否定できない。しかし、立法府が既に一定の立法政策に立った判断を下しており、また、その判断が示している基本的な方向に沿って考えるならば、未だ具体的な立法がされていない部分においても合理的な選択の余地は極めて限られていると考えられる場合において、著しく不合理な差別を受けている者を個別な訴訟の範囲内で救済するために、立法府が既に示している基本的判断に抵触しない範囲で、司法権が現行法の合理的「ウ、拡張」解釈により違憲状態の解消を目指すことは、全く許されないことではないと考える。」


◆ア
「その解消は第一次的に立法府の手に委ねられるべきであって、とりわけ本件におけるように、問題が、その性質上本来立法府の広範な裁量に委ねられるべき」とあることから、「不作為」が入ることがわかります。また、「司法権がその「ア」に介入し得る余地は極めて限られているということ自体は否定できない」とあることからも、「ア」は「不作為」とわかります。

よって、「ア」には「不作為」が入ります。


◆イ
「「イ」原則違反」とあることから、「法の下の平等」ではないかと推測できます。また、本文の下から4行目に「著しく不合理な差別」とあるので、「イ」は「法の下の平等」とわかります。

よって、「イ」には「法の下の平等」が入ります。


◆ウ
「個別な訴訟の範囲内で救済するために」や、「基本的判断に抵触しない範囲」、「違憲状態の解消を目指す」といった記述から、「ウ」は「拡張」だとわかります。選択肢を見た場合に、「限定」や「有権」が入らないことはわかると思います。

よって、「ウ」には「拡張」が入ります。


以上より、「ア」には「不作為」、「イ」には「法の下の平等」、「ウ」には「拡張」がそれぞれ入り、正解は肢5です。



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