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解答
4
【 解説 】
商事留置権(商法521条)の成立要件についての出題です。
商事留置権が成立するためには、
1、当事者双方が商人であること
2、双方的商行為によって生じたこと
3、弁済期が到来していること
4、債務者が所有する物又は有価証券であること
5、債務者との間の商行為を原因として債権者が占有するに至ったものであること
6、当事者の別段の意思表示がないこと
が必要です。なお、民事留置権と異なり、目的物と債権との間に牽連性は必要とされていません。
本問においては、問題文の冒頭で1、2、3、6の要件を満たしていることが記載されています。ですので、一定の要件というのは、4と5の要件を満たすかどうかです。それらを各肢で判断していくことになります。
◆1
4を満たしますが、「目的物が債務者との間における商行為によらない」となっており、5を満たしません。
よって肢1は誤っています。
◆2
4を満たしますが、「目的物が債務者との間における商行為によらない」となっており、5を満たしません。また、本肢は目的物と債権との間に牽連性を必要としており、この点も誤っています。
よって肢2は誤っています。
◆3
「目的物が債務者所有の物でなくてもよい」となっており、4の要件を満たしません。
よって肢3は誤っています。
◆4
その通りです。4と5のいずれの要件も満たし、かつ目的物と債権との間に牽連性は必要としていません。
よって肢4は正しいです。
◆5
「目的物が債務者所有の物でなくてもよい」となっており、4の要件を満たしません。
よって肢5は誤っています。
以上より、正解は肢4です。
【 解き方 】
商事留置権の成立要件に関する出題です。出題内容自体はそれほど難しいことを問われているわけではありませんが、ここまで学習の進んでいる人は少ないと思います。そういう意味では難問の部類に入るでしょう。基本的なことですが、要件をきちんと押さえるということです。勉強する際には、民事留置権との違いを意識しながら勉強するといいと思います。
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