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解答




【 解説 】

「推定する」と「みなす」は、よく出てくる紛らわしい言葉です。両者はよく似ていますが、意味は異なります。いずれも「AをBと推定する。」や「AをBとみなす。」のように使われます。「推定」の場合には、「A」という事実があれば「B」という事実があるものとして推定されますが、反対の事実を証明できれば、「B」という事実がないものとして扱われます。他方、「みなす」の場合には、「A」という事実があれば「B」という事実があるものとして扱われますが、反証は認められません。

◆1
その通りです。

よって肢1は「推定する」の文言が用いられていません。


◆2
その通りです。

よって肢2は「推定する」の文言が用いられていません。


◆3
文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定する。(民事訴訟法228条2項)

よって肢3は「推定する」の文言が用いられています。


◆4
その通りです。

よって肢4は「推定する」の文言が用いられていません。


◆5
その通りです。

よって肢5は「推定する」の文言が用いられていません。


以上より、正解は肢3です。



【 解き方 】
難問だと思います。正解肢は3ですが、これは民事訴訟法の条文です。条文を知っていれば正解にたどり着けますが、民事訴訟法の条文を知っている受験生は多くはないでしょう。消去法で解くにしても、他の肢にも民事訴訟法の条文があり、正誤の判断をするのが難しいと思います。
ではどうやって解くかです。「AをBとみなす。」や「AをBと推定する。」と規定されている場合、「B」とすべき部分が「はっきりとしていない」のが「推定」の場合です。「B」とすべき部分について、本当はどうなのかがわからないわけです。「B」とすべき部分がはっきりとわからないので、「A」を「B」と「推定」するわけです。そしてはっきりとわからないからこそ、反対の事実を証明できれば推定がひっくりかえるわけです。
この観点から見ていくと、肢3の「文書」(A)は、公文書かどうかはそもそもはっきりとはわからないわけです。そして「方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは」公文書(B)とされるわけです。ですからそもそも公文書ではないということが立証されれば、推定がくつがえるわけです。
このように考えていけば何とか正解にはたどり着けると思います。そうは言っても試験の現場でそこまで考えをめぐらすのは難しいと思います。間違えても仕方がない問題でしょう。



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