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 【 解説 】
 
 ◆まず肢1について
 [平成24年4月1日改正前]
 民法842条には、「未成年後見人は、一人でなければならない。」と規定されています。なお、未成年後見人を職権で選任することは出来ません。
 
 [平成24年4月1日改正後]
 民法842条は削除され、新たに840条2項3項が新設されました。840条2項は、「未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。」と規定しています。
 
 よって出題当時の規定によれば、肢1は誤っています。
 
 
 ◆次に肢2について
 後見人と被後見人との利益が相反する行為については、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりませんが、後見監督人がいる場合には、その必要はありません(860条、826条)。この場合には、後見監督人が被後見人を代表します(851条4号)。
 
 よって肢2は誤っています。
 
 
 ◆続いて肢3について
 後見が開始するのは、未成年者に対して親権を行う者がいないとき、又は親権を行う者がいないとき(838条1号)と、後見開始の審判があったとき(同条2号)です。ゆえに、未成年後見については、未成年者に対し親権を行う者がないとき、または親権を行う者が管理権を有しないときに後見が開始し、成年後見については、後見開始の審判があったときに後見が開始します。
 
 よって肢3は正しいです。
 
 
 ◆さらに肢4について
 民法877条1項には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」と規定されています。そして同条2項には「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。」と規定されています。親族とは配偶者、六親等内の血族および三親等内の姻族をいいます。なので、特別の事情があるときは、姻族間においても扶養の義務を負うことがありえます。
 
 よって肢4は誤っています。
 
 
 ◆最後に肢5について
 民法878条前段において「扶養する義務のある者が数人ある場合において、扶養をすべき者の順序について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議することができないときは、家庭裁判所が、これを定める」と規定しています。なので、配偶者を先にするわけでも、親等が近い者を先にするわけでもありません。
 
 よって肢5は誤っています。
 
 
 以上より、正解は肢3です。
 
 
 
 【 解き方 】
 問われていることは条文レベルなのですが、なかなかここまで勉強が進まない受験生が多いことでしょう。これを機会に家族法についても条文だけでも読んでおきましょう。
 
 
 
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