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解答




【 解説 】

◆ア
即時取得は、前主が所有者であることから認められるものではありません。なので、即時取得は承継取得ではなく原始取得です。

よってアは妥当ではありません。


◆イ
無過失が推定されるかどうかについては、判例は「占有者は民法188条により、占有物の上に行使する権利を適法に有するものと推定されるので、占有者からの譲受人たる占有取得者には過失がないものと推定され、占有取得者は自己に過失のないことを立証する必要はない」としています(最判昭41.6.9)。なので、Cは無過失の占有であることを自ら立証する必要はありません。

よってイは妥当ではありません。


◆ウ
いわゆる即時取得と占有改定の論点です。この点について判例は否定しています(最判昭35.2.11)。つまり占有改定によって即時取得は成立しないとしています。なので、「一応即時取得によりカメラの所有権を取得する」としている本肢は妥当ではありません。

よってウは妥当ではありません。


◆エ
いわゆる指図による占有移転です(184条)。この場合、Cの承諾は必要ですが、Dの承諾は必要ありません。なお、判例は占有改定の場合には即時取得を認めていませんが、指図による占有移転の場合には即時取得を認めています(最判昭57.9.7)。

よってエは妥当です。


以上より、妥当でないのはア・イ・ウであり、正解は肢2です。



【 解き方 】
即時取得に関する重要論点から出題されています。いずれも有名論点であり、合格のためには落とせない問題でしょう。即時取得が原始取得であることは有名な論点であり、アが妥当でないことはすぐにわかると思います。そうすると肢の組み合わせから肢1〜3に絞られます。判例が占有改定の場合には即時取得を認めていないのに対し、指図による占有移転の場合には認めていることは有名です。これでイとエの判断をつければ、ウの判別がつかなくても正解肢にたどり着けます。



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