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解答




【 解説 】

◆ア
AB間の金銭消費貸借契約を、Bの保証人Cは取り消すことは出来ません(大判昭20.5.21)。保証人は取消権者には含まれておりません。

よってアは妥当ではありません。


◆イ
騙されたとしても、追認または法定追認があった場合には、取り消すことはできなくなります。取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡があった場合には、追認があったものとみなされます(法定追認、125条5号)。しかし、法定追認があったといえるためには、「自分は騙された」ということに気がついている必要があります。つまり取り消すことができるにもかかわらず取り消さずに譲渡したという状態であることが必要なのです。本肢においては、BがCに転売した後になって、BはAの詐欺に気がついているので、法定追認とはみなされず、依然としてBは取り消すことが出来ます。

よってイは妥当ではありません。


◆ウ
錯誤無効の主張は、錯誤をした表意者本人を保護するための規定なので、錯誤無効を主張できるのは表意者のみであるのが原則です(最判昭40.9.10)。

よってウは妥当ではありません。


◆エ
強迫されて絵画を購入した場合、Bは強迫による意思表示として取り消すことが出来ます(96条1項)。そして追認をすることができるときから5年間取消権を行使しなかったときは、取消権は時効によって消滅します。しかし、追認があったものと推定されるわけではありません。

よってエは妥当ではありません。


◆オ
未成年者Bが親権者の同意を得ずにAから金銭を借り入れた場合には、当該金銭消費貸借契約が取り消すことができます(5条2項)。取り消された法律行為は遡及的に無効となります(121条本文)。ただし、未成年者などの制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還義務を負います(同条但書)。なので、BはAに対し、受領した金銭につき現存利益のみを返還すれば足ります。

よってオは妥当です。


以上より、妥当でないものはア、イ、ウ、エの四つであり、正解は肢4です。



【 解き方 】
民法総則についての基本的な問題です。個数問題ということもあり、正確な知識が求められます。問題自体は難しい肢もないので、ぜひとも正解したい問題です。



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