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解答
4
【 解説 】
◆1
確かに議院(議会)は全国民の代表であるとする規定は、近代憲法には広く見られる規定です。しかし、大日本帝国憲法下では、議院は貴族院と衆議院からなり、貴族院は選挙された議院ではありません。なので、大日本帝国憲法にはかかる規定はありません(大日本帝国憲法34条35条参照)。
よって肢1は妥当ではありません。
◆2
代表の意味には、命令委任と自由委任があります。簡単に言えば、命令委任とは、選挙母体の意見に従わなければなりませんが、自由委任は、選挙母体の意見に従わなくともよく、自分の考えに基づいて発言行動できる点が異なります。歴史的には、まず命令委任が誕生し、近代の国民代表議会が成立するにつれて自由委任が誕生しました。
よって肢2は妥当ではありません。
◆3
党議拘束とは、議案の賛否について、あらかじめ決められた政党の決定に、当該政党所属の議員の議員活動が拘束されることを言います。ある議案に賛成すると政党が決めた場合には、その政党に所属する議員は賛成しなければなりません。これが憲法に違反するのではないかが問題となっています。しかし、これについては、仮に党議拘束に違反し所属政党を除名させられることがあっても、議員資格を喪失させられるわけではないことから、合憲とされています。
よって肢3は妥当ではありません。
◆4
その通りです。
よって肢4は妥当です。
◆5
選挙は現代では政党間の選択としての意味を持つため、現行法上、議員は所属政党から離脱した時は自動的に議員としての資格を失うものとはされていません。これは議員は特定の選挙区や支持母体の代表でなく、全国民の代表であるという、自由委任からの帰結でもあります。なお、比例代表の選出議員が、当選後に当選時の所属政党以外の政党に所属することになった場合には失職することになっていますが、ただ単に所属政党を離脱しただけでは議員資格を喪失しません(公職選挙法99条の2、国会法109条の2)。
よって肢5は妥当ではありません。
以上より、正解は肢4です。
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