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解答
3
【 解説 】
◆1
表現の自由に比重を置いてわいせつの定義を厳格にしぼれば、わいせつに該当する範囲がどんどん狭くなります。わいせつに該当しなければAは無罪になるわけですから、本肢のような主張はAの主張として適しています。
よって肢1は適します。
◆2
内在的制約にのみ服するのであれば、わいせつの概念も厳格かつ限定的に解することになるので、Aが無罪になる可能性が高まります。
よって肢2は適します。
◆3
Aは自らの作品集をすでに出版しています。なので、表現活動の事前抑制の原則的禁止については、そもそも場面が違います。
よって肢3は最も適しません。
◆4
その通りです。Aが主張しているのは、過度に広範性ゆえに無効の理論です。これは、規制が過度に広範な場合には、何でもかんでも規制できてしまう可能性があるため、今後の表現活動が萎縮してしまうおそれがあります。そのような自体を防ぐために、Aに適用される場合には合憲であっても、他の第三者に適用される場合には違憲となる可能性があることを理由として、法令全体の違憲性を主張できるとするものです。この主張が認められれば、Aは無罪となりますので、Aの主張に沿うものと言えます。
よって肢4は適します。
◆5
文書の芸術的・思想的価値 > 文書によって生じる法的利益の侵害、であれば刑罰を課すことはできないという主張です。Aは自分の作品集が芸術的思想的価値を有していると考え、かかる主張をすることわけですから、自分を無罪と主張するAの考えに沿うものです。
よって肢5は適します。
以上より、正解は肢3です。
【 解き方 】
一つ一つ各肢を丁寧に見ていけば、肢3はそもそも場面が違うことに気がつくはずです。そこに気がつけば、他の肢の内容について自信がなくとも、肢3を選択できるのではないかと思います。
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