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解答
1
【 解説 】
◆アについて
荷送人とは、荷物の発送を依頼する人のことです。いわゆる送り主です。他方、運送人とは、実際に荷物を運ぶ人のことです。運送会社の人ぐらいのイメージでしょうか。
運送状には運送品、到達地、荷受人等を記載して、それに荷送人が署名します。これは運送人の請求により荷送人が交付するものです(570条1項)。
貨物引換証は運送人が運送品を受け取ったことを証明する有価証券で、当該運送品を受取主に届けることを約束した書面です。これは荷送人の請求により運送人が交付します(571条1項)。
よって、運送状を交付するのは荷送人であり、アは誤っています。
◆イについて
貨物引換証により運送品を受取ることができる者に貨物引換証を引渡したときは、その引渡しは運送品の上に行使する権利の取得について運送品の引渡しと同一の効力を有します(575条)。
よってイは正しいです。
◆ウについて
物品運送において、運送品の全部又は一部が不可抗力により滅失したときは、運送人は運送賃を請求することは出来ません(576条)。
よってウは誤っています。
◆エについて
運送人は、自己もしくは運送取扱人またはその使用人その他運送のために使用した者が運送品の受取り、引渡し、保管および運送に関して注意を怠らなかったことを証明するのでなければ、運送品の滅失、毀損または延着について、損害賠償の責任を免れません(577条)。
よってエは正しいです。
◆オについて
貨幣、有価証券その他の高価品の運送については、荷送人が運送を委託するにあたって高価品の種類および価額を明告した場合でなければ、運送人は、運送品の滅失、毀損または延着について損害賠償の責任を負いません(578条)。
よってオは正しいです。
以上より、誤っているものはア・ウであり、正解は肢1です。
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