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解答




【 解説 】

持分会社とは、合名会社、合資会社、合同会社の総称です。合名会社においては社員は全員が無限責任社員であり、合資会社においては無限責任社員と有限責任社員、合同会社においては全員が有限責任社員です。

この持分会社を勉強する際には、株式会社との違いを比較しながら勉強するのが受験上は得策だと思います。


◆まず肢1です。
株式会社の社員たる株主は、その出資は金銭出資や現物出資に限られています(28条1号)。

他方、持分会社においては、有限責任社員は金銭出資に限られていますが、無限責任社員には労務出資や信用出資の方法が認められています(576条1項6号)。なお、社員の出資の目的及びその価額又は評価の標準は定款の記載事項です。

よって肢1は正しいです。


◆次に肢2です。
株式会社の社員たる地位は、原則として均一的な細分化された割合的持分の形をとっています。そして各株主は持分を複数所有することが出来る点に特徴があります(持分複数主義)。

これに対し持分会社においては均一化も細分化もされていません。原則として出資額に応じて持分の大きさが異なり、一人一持分です。

イメージとしては、株式会社のほうは社員たる地位はすべて一円玉だけで、一円玉を1枚だけ持っている人もいれば100枚持っている人もいるという感じであるのに対して、持分会社のほうは一円玉を持っている人もいれば百円玉を持っている人もいるという感じでしょうか。

よって肢2は正しいです。


◆続いて肢3です。
公開会社においては取締役会を設置しなければならず、取締役の中から代表取締役を選定しなければなりません(327条1項1号、362条3項)。そして原則として代表取締役が会社の業務を執行し(363条1項)、会社を代表します(349条1項)。

他方、持分会社においては、原則として、社員各自が持分会社の業務を執行し(590条1項)、当該会社を代表します(599条1項)。

よって肢3は正しいです。


◆さらに肢4です。
持分会社においては社員の退社が認められています(606条以下参照)。持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は事業年度の終了の時において退社をすることが出来ます。退社する場合には、各社員は6ヶ月前までに持分会社に退社の予告をしなければなりません(606条1項)。やむを得ない事由があるときは、いつでも退社が出来ます(606条3項)。

さらに、社員の氏名等は登記事項であるので(912条以下)、退社する場合には変更登記が必要であるが、退社自体は登記が効力要件になっているわけではありませんので、予告した当該事業年度の終了の時に退社の効力が生じます。

よって肢4は誤っています。


◆最後に肢5です。
株式会社の定款変更は、原則として株主総会特別決議によって定款変更が出来ます(466条、309条2項11号)。

他方、持分会社の定款変更は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることが出来ます(637条)。

よって肢5は正しいです。


以上より、正解は肢4です。



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