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行政書士試験・公務員試験等合格講座−めざせ憲法の達人!
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解答




【 解説 】

「思うに、憲法14条1項及び地方公務員法13条にいう社会的身分とは、人が社会において占める継続的な地位をいうものと解されるから、高令(齢)であるということは右の社会的身分に当らないとの原審の判断は相当と思われるが、右各法条は、国民に対し、法の下の平等を保障したものであり、右各法条に列挙された事由は[ア、例示的]なものであって、必ずしもそれに限るものではないと解するのが相当であるから、原判決が、高令(齢)であることは社会的身分に当らないとの一事により、たやすく上告人の……主張を排斥したのは、必ずしも十分に意を尽したものとはいえない。しかし、右各法条は、国民に対し[イ、絶対的]な平等を保障したものではなく、差別すべき[ウ、合理的]な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるから、[エ、事柄の性質]に即応して[ウ、合理的]と認められる差別的取扱をすることは、なんら右各法条の否定するところではない。」

◆アについて
憲法14条1項後段に挙がっている「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」というのは、歴史的に差別の原因となってきた事柄を例示的に列挙したにすぎず、これら列挙事由以外の場合でも、差別が許されないのは当然とされています(例示説)。この立場が判例通説の見解です。

よってアには「例示的」が入ります。


◆イについて
憲法14条が規定する法の下の平等とは、各人の性別や年齢、職業などをすべて捨象して絶対的平等に取り扱わなくてはならないということではなく、性別や年齢、職業などの差異があることを前提として同一の条件下では平等に取り扱うことを意味しています。そういう意味では14条の平等は相対的な平等を意味しています。

よってイには「絶対的」が入ります。


◆ウおよびエについて
憲法14条が保障しているのは相対的な平等であることを前提として、差別的に取り扱うことに合理的な理由がある場合には、差別的な取り扱いも許されると考えられています。そして差別的取り扱いが許されるとは言いましても、それは何を差別的に取り扱うのかにもよります。つまり事柄の性質によるということになります。

例えば女性の産休ですとか、未成年者に対する飲酒喫煙の規制ですとか、収入によって税率が異なるとかです。

よってウには「合理的」が入り、エには「事柄の性質」が入ります。


以上より、正解は肢5です。



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