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解答
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【 解説 】
商行為に関する出題であり、ここまで勉強が進んでいる受験生は少ないのではないかと思います。捨て問にしたとしても仕方がないと言えるでしょう。本問で出題されている場屋営業は、「じょうおくえいぎょう」と読みます。場屋営業とは、客の来集を目的とする場所での営業のことです。代表的な場屋営業としては、レストランが挙げられます。
◆1
寄託というのは、簡単に言えば「預かってくれ」と言われて、預かることです。商人がその営業の範囲内において寄託を受けたときは、報酬を受けなかったときであっても、善管注意義務を負います(593条)。民法上の寄託契約の場合には、有償の場合は善管注意義務を負いますが、無償の場合には自己の財産と同一の注意義務しか負いません。しかし商法上の寄託契約の場合には、無償であっても善管注意義務を負います。
よって、肢1は正しいです。
◆2
旅店、飲食店、浴場、その他客の来集を目的とする場屋の主人は、客より寄託を受けた物品の滅失又は毀損につき、不可抗力によることを証明できなければ損害賠償の責任を免れることが出来ません(594条1項)。
よって、肢2は正しいです。
◆3
貨幣、有価証券、その他の高価品については客がその種類及び価額を明告してこれを場屋の主人に寄託したのでなければ、その場屋の主人はその物品の滅失又は毀損によって生じた損害を賠償する責任を負いません(595条)。
よって、肢3は正しいです。
◆4
客が特に寄託していない物品であっても、場屋中に携帯した物品が場屋の主人又はその使用人の不注意によって滅失又は毀損したときは、場屋の主人は損害賠償の責任を負います(594条2項)。
よって、肢4は正しいです。
◆5
客の携帯品について責任を負わない旨を告示したときであっても、場屋の主人は損害賠償の責任を負う場合があります(594条3項)。
よって、肢5は正しいです。
以上より、正解は肢5です。
【 解き方 】
最初にも述べましたが、会社法までは手が回ったが、商行為までは手が回らなかったという受験生も多いことでしょう。商行為の中でも総則(501条〜522条)までは勉強したが、それ以外は勉強していないという受験生も多いと思います。それでも試験前に一度くらいは条文だけでも目を通しておいたほうがいいでしょう。けっこう記憶に残るものです。
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