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解答




【 解説 】

本問においては、Aはもち米を50キロ買う契約をB米店と締結しています。種類債権です。そしてBによる引渡しの準備がまだ終わっていないので、種類債権の特定が生じていないと考えられます。


◆まず肢1です。
弁済の場所はどこかという問題です。当事者間で特約があればその特約に従いますが、特約がない場合には、特定物であれば債権の発生当時にその物が存在した場所で弁済をしなければなりません(484条前段)。その他の場合には、債権者の現在の住所において弁済しなければなりません(同条後段)。

本肢においては、もち米50キロは特定物ではありません。債権者は買主Aですから、BがAの住所に届けなければなりません。

よってBはAが取りに来るまで待っていればよいとする本肢は誤っています。


◆次に肢2です。
本肢のような種類債権の場合、何を引渡すのか特定する必要があります。そして債務者としては特定した物を引渡すわけです。特定の効果として、債務者に善管注意義務が発生します。特定されるまではBは善管注意義務を負っていません。

よって本肢は正しいです。


◆続いて肢3です。
特定していれば、債務の目的物は当該もち米50キロになりますので、Bはもち米の引渡し義務を免れます(534条U)。しかし特定していない以上は、Bは調達義務を負っていることになりますので、Bは他からもち米50キロを調達して、Aに引き渡す義務があります。

よって本肢は誤っています。


◆さらに肢4です。
債権の目的物を種類のみで指定した場合において、当事者間でその品質を定めていない場合には、債務者としては中等の品質を有する物を給付しなければなりません(401条T)。

よって上等なもち米を引き渡さなければならないとする本肢は誤っています。


◆最後に肢5です。
不特定物の売買においては、原則として目的物が特定したときに所有権が買主に移転します(最判昭35.6.24)。売買契約をした時ではありません。

よって本肢は誤っています。



以上より、正解は肢2です。



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