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解答
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【 解説 】
外国人の人権については憲法を学ぶ上で重要事項の中の一つであり、試験上も頻出事項の一つです。
◆1
最高裁は「何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有し」ていると判断しています。
(最判平7年12月15日)
しかし外国人登録法の指紋押なつ制度については、立法目的に合理性、必要性があり、またその方法も相当なものであったとして合憲としています。
つまり外国人にも指紋の押なつを強制されない自由は及ぶものの無制限に保障されるわけではなく、指紋押なつ制度自体は合憲であるとしています。
よって本肢は妥当です。
◆2
「永住者等であって、その居住する地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至った者について、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務に反映させるべく、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する立法措置を講ずることは、憲法上禁止されていない」
(最判平7年2月28日)
よって本肢は妥当です。
◆3
本肢について判例は、「職員が管理職に昇任するための資格要件として日本の国籍を有することを定めた東京都の措置は、労働基準法3条、憲法14条1項に違反しない」としています。
(最判平17年1月26日)
よって本肢は妥当です。
◆4
「限られた財源下での福祉的給付に当たり自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許される」
(最判平元年3月2日)
よって肢4は妥当です。
◆5
外国人は、日本への入国の自由を保障されているわけではありません(最判昭32年6月19日)。さらに最高裁は外国人について、「憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものではない」としています。
(最判平4年11月16日)
よって肢5は妥当ではありません。
以上より、正解は肢5です。
【 解き方 】
第5問と同様、判例からの出題です。第5問に比べて新しい判例から出題されています。この手の問題では、やはりある程度は判例の知識がないと解くことができません。判例の重要性を再認識させられる問題です。少なくとも重要判例については、きちんと押さえておきましょう。
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