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自律権




ここでは、司法権の限界について取り上げます。

「裁判所」で、裁判所は「法律上の争訟」について 裁判をすることをお話しました。

しかし、これにはいくつかの例外があります。ここで取り上げるのは、その例 外についてです。

まず、憲法で規定されている例外があります。議員の資格争訟裁判や裁判官の 弾劾裁判がこれにあたります。

他にも、憲法上の明文規定はありませんが、裁判所の司法権が及ばないとされ ているものがあります。ここでは、その中からよく出題されている自律権を、 取り上げます。そして、統治行為、部分社会の法理と取り上げていきます。あ わせてよく学習しておいて下さい。

まずは、自律権です。自律権というのは、国会や各議院における懲罰であると か議事進行の手続などの内部事項については、それぞれの決定が最終的な決定 となることを言います。先ほどお話した議員の資格争訟裁判は、この自律権に ついて憲法上明文で規定されているものとされています。

憲法は三権分立制度を採用していましたね。このことから、国政上の重要機関 である国会や内閣などは、一定の内部事項について他の機関からの介入を認め ていないものと考えられているのです。他の機関の介入を認めると、三権分立 にならなくなってしまいかねないからです。

この、自律権については、重要な判例があります。警察法改正無効事件判決です。
最判昭37.3.7
「同法(警察法)は両院において議決を経たものとされ適法な手続によって公 布されている以上、裁判所は両院の自主性を尊重すべく同法制定の議事手続に 関する所論のような事実を審査してその有効無効を判断すべきでない」

この事件について簡単にお話しますと、国会でも審議において野党議員の強硬 な反対にあい、議場混乱のまま(いわゆる乱闘国会)可決されました。そこで、 このような議決は無効ではないかとして争ったわけです。

これに対して、裁判所としては審査の外にあるという判決を下したわけです。 判決内では、自律権という言葉は使っていませんが、この判決は自律権を用い たものとされています。


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