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法人の人権享有主体性




法人の人権享有主体性は、非常に重要な論点です。憲法の勉強するうえでも重要ですし、 行政書士試験や公務員試験においても、よく出題されている論点です。しっかりと勉強しましょう。

法人ってなんだかわかりますか。法人の代表例は、会社です。この会社も人権の享有 主体になれるのかという問題です。

八幡製鉄政治献金事件判決という、これまた有名な判決があります。憲法は有名な判例が多いです。
最判昭45・6・24
「憲法第三章に定める国民の権利および義務の各条項は、性質上可能なかぎり、内国 の法人にも適用される」

法人にも、権利の性質上可能な限り、憲法上の人権の規定が適用されます。これを性 質説と言います。

前にも性質説って出てきましたよね。そうです。外国人の人権のところです。覚えて いますか。

外国人の場合も法人の場合も、いずれも性質説なのですが、微妙に違うのがおわかり でしょうか。

外国人の場合、「権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを 除き」と言っていましたが、法人の場合は、「権利の性質上可能な限り」と言ってい ます。ニュアンスが多少違うのです。

同じ性質説をとりながら、法人の方が認められる権利の範囲が狭そうな気がしません か。

おそらく判例は、いずれも人権享有主体性は認めるけれども、外国人は「自然人」 (当たり前ですが)であるのに対して、法人は「自然人ではない」点に着目している のだと思います。

ですから、もし問題で、
「判例は、権利の性質上可能限り外国人にも憲法の人権保障が及ぶ、と判示している」
という肢が出題された場合、この肢は正確には「誤った肢」ということになります。



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