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「めざせ憲法の達人!」のトップページ>議院の権能



議院の権能




国会の権能と区別すべきものに、議院の権能があります。この議院の権能というのは、 各議院が単独で行使しうる権能です。

各議院は、それぞれ議長その他の役員を選任することが出来ます。議院の自律性を確保 するためです。学校の学級会で、司会をクラスの投票で選ぶというようなものです。

そして、各議院は、議事が滞りなく進行し、適切に議事が進行するために、議院規則を 制定することが出来ます。ただ、この法律によっても議事手続や各議院の内部の事項に ついて定めることが出来ます。ここは間違えないで下さい。


議院の議員たるには、一定の資格が必要です。その資格がいかなるものかについては、 現在法律により、被選挙権があること及び兼職禁止規定に違反しないこと、となっています。

資格がないことにより、議院の資格を失わせることが出来ます。この場合には、出席 議員の3分の2以上の議決が必要とされています。国会議員の資格を失わせることは、 それだけ重大な事なわけです。これを資格争訟裁判といいます。

規則や法律により、議事が滞りなく進むことを期待していますが、中には院内の秩序 を乱す議員も現れるかもしれません。この場合には、当該議員に対して懲罰を与える ことが必要な場合もあるかと思います。

懲罰の種類には、戒告、陳謝、登院停止、除名があります。これらの種類については、 覚える必要はないかと思います。でも、除名には出席議員の3分の2以上の議決が必要 であるという点については、覚えておきましょう。資格争訟裁判の場合とセットにして 覚えておけば、忘れないでしょう。


議院の権能の中で、一番メジャーなのが、次に取り上げる国政調査権です。

国会は、立法権その他国政に関する広範な権限を有しています。この権限を有効かつ 実効的に行使するために、さまざまな事柄につき調査をし、資料の提出を必要とする ことが多々ありうるはずです。そのために、憲法は各議院に国政調査権を認めているのです。

国会の権能ではなく、議院の権能として各議院に認めているのは、例えば衆議院が不要 と考えても、参議院が必要と考えれば、行使しうることにしたのではないかと思います。

この国政調査権の法的性質をどのように考えるかについては、争いがあります。

国会は国政の中心に位置する最高機関であることから、国政の統合のために国会に 与えられた特別の独立した権能であるとする考え方があります(独立権能説)。

しかし、日本国憲法は三権分立を採用し、裁判所や内閣もそれぞれの権限の範囲に おいては最高の機関であることから、国政調査権は国会がその権能を行使するにあたって の補助的な権能であると考えるのが現在における通説的な考え方です(補助的権能説)。

しかも、国政調査権を独立権能とすると、国家権力を三権ではなく四権に分かち、 そのうち二つを国会に与えることになってしまいます。これでは、そもそもの憲法 の考え方に違反してしまいます。

国政調査権は国会の権能を補助するために、広く国政に及びますが、もちろん一定の限界があります。

まず、国会の権能を補助するためのものですから、国会の権能と無関係な事項については及びません。

次に、個人のプライバシーの侵害になるような調査も当然出来ません。

また、三権分立に反することは許されませんから、行政権の固有の権限を侵害するような 調査はできないことになっています。

そして、とりわけ重要なのが、司法権との関係です。

具体的事件が現に係属中の場合には、訴訟指揮を調査したり、裁判官の裁量に属する事項 について調査することは許されない。 判決が確定した後であっても、裁判内容の当否を調査することはできない。
この二つについては、ぜひ覚えて下さい。

ただし、裁判については一切調査しえないわけではなく、裁判所と目的が異なれば調査しうる とされています。

検察権については、行政権であることから調査の対象にはなりますが、起訴などは裁判の前段階 ともいうべきものであり、司法権とも密接に関わってくることです。したがって、起訴すべきか どうかにつき国政調査権による調査などは出来ないものとされています。


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